年金の学生納付特例は追納した方がお得なの?追納で増える年金額を試算してみた

2020/01/25

貯金 貯金-公的制度

 

つい先程、年金事務所から「追納のご案内」というハガキが届いたのですが、これって追納した方がいいのでしょうか?

実は僕、成人した時に大学生だった為、学生納付特例を申請して国民年金保険料を納付猶予してもらっていたんですよね。

そもそもが「年金保険」というくらいなので、お互い助け合いの精神で本来は追納すべきなのかもしれませんが、ハガキに気になることが書いてあったんですよね。

追納すると税金が戻る場合があります。
また、年金額が増えます。

〜中略〜

このほか、生涯にわたり年金額も増えます。
納付猶予期間なら年約4万円
全額免除期間なら約2万円

僕の場合は猶予額が約45万円なので、これってつまり、

「45万円で、60歳から死ぬまで年4万円貰える権利を買うべきか」

または、

「45万円で他の金融資産を買うべきか」

どちらがリターンが大きいのか、という投資判断であるとも言えますね。

では実際に「年金を追納する」という選択肢は、他の選択肢と比べて高いリターンなのか、つまり「おトク」なのかを試算してみました。

納付猶予分を追納した場合の運用リターンは約3.7%

比較を分かり易くする為、次の2つを選択肢の比較基準として考えてみます。
比較の基準

  • 毎年4万円を獲得するには、どのくらいの金融資産が必要か
  • 追納額の45万円で上記の金融資産を獲得するのに、どのくらいの運用利回りが必要か

必要な金融資産額

「毎年4万円を貰える権利」というのは、株式やファンド等の金融資産を保有した場合に貰える配当や分配金と同じ性質のものだと言えます。

その為、この配当利回りの計算式から逆算して、毎年4万円を貰うには約133万円の金融資産が必要となります。
必要な金融資産額の計算方法

金融資産の金額=配当金額÷配当利回り
=4万円÷3%≒133万円

※配当利回りの3%は、不動産投資信託(REIT)の分配金利回りを参考にしました。
※ここ10年の推移からREITの分配金利回りは3%を下回ったことはない為、参考値として妥当と考えました。

必要な運用リターン

僕は現在30歳なので、年金受給開始を60歳とすると、運用期間は30年です。

なので、45万円を追納して30年後から年間4万円を受け取ることは、30年かけて45万円の元手を133万円に増やすことと同義です。

その際の運用リターンはどのくらいになるのでしょうか?

運用後の金融資産は次の計算式で算出できますが、運用リターンの逆算は面倒なのでエクセルのRRI関数を使い、必要な運用リターンは約3.7%と算出されました。
リターンの算出方法

運用リターン=RRI(運用期間:30, 元手:45万円, 運用後の金融資産:133万円)

つまり、納付猶予分の追納は、運用リターン3.7%で資産運用することと同義だと言えるでしょう。

もし追納分を自分で運用したら

ここでもう一つの選択肢として、元手の45万円を自分で運用する場合を考えてみましょう。

運用対象はアメリカS&P500連動のインデックスファンドとします。

S&P500は1950年〜2013年で年平均10%のリターンを上げており、運用期間が15年以上ならプラスのリターンになっています。

つまり、運用期間が30年と長期ならば十分そのリターンの恩恵を受けられると考えられます。

保守的に考えて年平均7%のリターンと考えた場合でも、追納して年4万円を貰うより、その追納する金額を自分で運用した方が高い利回りを期待できるのです。

ここで注意すべき点は、期待リターンの大小だけでなく、その実現可能性を踏まえた期待値で考える必要があるということです。

年平均10%のリターンというのは過去の結果であって、今後も同程度のリターンを上げられる保証はありません。

一方で、年金についても同様で、「60才から年4万円を上乗せして貰える」保証も無く、65才から、70才からと貰える年齢や金額が変わる可能性があります。

それらの可能性をどう考え評価するかは、個々人の価値観や評価軸によって変わってきます。

僕個人としては、今までと同じかそれ以上に技術革新が進み、企業が発展・成長するという可能性は大いにある考えています。

その為、僕は同じ金額の元手をより増やす為には、企業の成長の分け前を貰える株式投資で資産運用する方が期待値が高いと考えます。

自分で資産運用する際の投資戦略

ここで、「自分で運用と言うけれど、具体的にどうすればいいの?」という疑問が出てくるかと思います。
大丈夫。安心してください。

基本的な資産運用戦略のキーワードは、インデックス投資とポートフォリオ分散の2つです。詳細はこちらの記事にまとめていますので、読んでみてください。

もっと詳しく学びたい、という方は「ウォール街のランダム・ウォーカー」という本をオススメします。

これは、プリンストン大学を代表する経済学者で、アメリカの経済諮問委員も務めた経済・金融問題の専門家であるマルキール教授が著した本です。

僕はこの本を読んで、「点と点」だった今まで情報収集してきた資産運用の知識が、「全て繋がり線」になったと思える程理解が深まりました。

500ページ超の大作ではありますが、本腰を入れて資産運用を学びたい方には、「ウォール街のランダム・ウォーカー」原典にあたることを強くオススメします。


注意点:国民年金の「納付猶予」と「免除」の違い

ここまで僕は「学生納付特例の納付猶予」分を追納するか否かについて書いてきました。
納付猶予については、追納しなかった場合でも年金額には反映されないようです。

ただし、「免除」の場合、追納しなかった場合は年金額に反映されるようで、注意が必要です。

上記の試算の前提が変わってしまう為、「免除」を受けている方は改めて試算して、どの選択肢が良いか吟味すると良いでしょう。

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