インデックス投資はリスクゼロではない!ドルコスト平均法とポートフォリオ分散でリスクを抑える〜ウォール街のランダム・ウォーカー

2020/02/11

資産運用 資産運用-基礎

 

「ウォール街のランダム・ウォーカー」の読書備忘録その2です。




前の記事では、ファンダメンタル分析派とテクニカル分析派と、株式投資の2つの基本戦略についてまとめました。

この記事では、2つの戦略よりも完成度の高い投資戦略を紹介していきます。

何をもって「完成度が高い」とするかですが、ここでは「負けない」こと、つまり「投資に使った元金が大幅に減り、市場から退場するのを避ける」ような投資戦略について解説します。

株式投資で負けない戦略1:インデックス投資

出所:Yahoo! Finance

前の記事で紹介したファンダメンタル分析やテクニカル分析は、あくまで個別銘柄の選択における分析方法でした。

上手いこと今後株価が上がる銘柄を探し当てることができればいいのですが、ファンダメンタル分析もテクニカル分析もどちらも弱点があり、「これさえやれば成功できる」という確実な手法はありません。

なので、個別銘柄ではなく市場全体へ投資するインデックス投資が、リターンを上げられる確実性が高いと言えます。

市場全体へ投資するというのは、特定の市場で売買されている全銘柄の株価をならした市場平均(=インデックス)の値動きに賭けることを意味します。

インデックス投資は、以下の理由から、個別銘柄への投資よりも「負けない」可能性が高いと言えます。

インデックス投資がイケてる理由

  • ある銘柄が値下がりしても他の値上がりしている銘柄でカバーされる為、個別銘柄への投資よりも値下がりの影響を和らげられること
  • 直近70年の長期の平均投資リターン(=年平均成長率、CAGR)が7.84%と高いこと
  • 15年以上の長期ではプラスのリターンが期待できること

インデックス投資のリスク・弱点

なんとも魅力的で、隙が無いように見えるインデックス投資ですが、実はこれも万能ではありません。

平均投資リターンが7.84%だとか、15年以上の長期間投資ではプラスのリターンが期待できるとか、こういったデータは全て過去の実績であることに注意が必要です。

これらは、あくまで過去のデータであり、今後も同じリターンを得られる保証はありませんし、 誰にも未来を見通すことはできません。

もっとも、技術革新や利便性の向上は今後も続くことが予想されるので、今後も過去と同じくらい企業が成長し、それに伴うリターンを得られる可能性は高いのでは、と個人的には考えています。
また、長期的に見ればプラスのリターンを上げてはいるものの、1年〜3年の短期で見るとリターンがマイナスになっていた時期がありました。

インデックス投資の一番のリスクは、資産を売って現金化するタイミングで、リーマンショックやコロナショック等の経済危機が発生して株式価格が暴落することです。

去年株式を売っていれば3,000万円の現金が入ってきたのに、今年は経済危機で株式価格が暴落した為1,500万円でしか売れない、というリスクです。

「●年後に相場が暴落する」というのは誰にも分からない為、いつ相場暴落が起きてもダメージを最小限に抑えられるように、次の2つの対策を行っておく必要があります。
インデックス投資のリスク回避策

  1. 高値掴みを回避する「投資時期の分散」
  2. 株式以外の資産にも投資する「ポートフォリオの分散」

株式投資で負けない戦略2:ポートフォリオの分散

ポートフォリオの分散とは、具体的には投資時期の分散と投資対象の分散を意味します。

投資時期の分散:投資期間とリターンの関係

出所:『ウォール街のランダム・ウォーカー』

S&P500インデックスに投資した場合には、1950年〜2013年までの期間を通してリターンは年平均10%強でした。

一方で投資期間別に見てみると、特に1年間という短期投資の場合、年平均リターンはある1年ではプラス52%だった一方、ある1年ではマイナス37%となっていました。

ところが、投資期間が長期にわたる場合年平均リターンの変動幅は小さくなり、特に投資期間が15年以上の場合は期待リターンがプラスになるのです。

つまり、投資時期を分散するというのは、投資期間を15年以上の長期で考えることで、その投資期間にドルコスト平均法で積み立てることを意味します。

また、インデックス投資を考えた場合、

「持っている株式を売って現金化する投資期間の終盤に、相場の暴落が来たらどうするのか?」

と心配される方もいるかと思います。

このような資産運用の終盤での出口対策として、投資期間の序盤からアセットミックス(株式・債券・不動産等の組み合わせ)を考えて投資する必要があります。

総リターンの90%はアセットミックスで決まると言われており、非常に重要な考え方です。

投資対象の分散:アセットミックスの決め方

出所:『ウォール街のランダム・ウォーカー』

アセットミックスでは、株式や債券等の金融資産を任意の割合で保有することで、その保有割合によりリスクをコントロールすることを目的としています。

ここでいうリスクとはリターンが上ぶれ・下ぶれする変動幅のことで、リスク選好とリスク許容度を区別して考えるべきと言われています。

リスクの考え方

  • リスク選好:自分の性格から、どの程度リスクをとるべきか(=should)
  • リスク許容度:自分の収入等の財務状況から、どの程度リスクをとれるか(=can)

特にリスク許容度は年代やライフサイクルによって異なり、見誤ると日常生活の為の収入源が途絶えてしまうリスクがあります。

例えば、同じサラリーマンでも、今後の雇用継続やキャリアアップが期待できる20代後半と、定年退職まであと数年の50代後半とでは、今後見込める収入が異なる為とれるリスクも異なるのです。

また、価格変動により投資当初に想定していたアセットミックスの割合からポートフォリオが変動した場合は、当初のアセットミックスの割合に戻すべく定期的にリバランスを実施します。

このリバランスにより結果的に「安く買って高く売る」を実施でき、リスクの低下+リターンの増加が期待できるのです。

ちなみに、アセットミックスの割合に正解はありませんが、「理論上いかなる経済情勢でも利益を上げられる」とするアセットミックスが存在します。

これは、世界的投資家レイ・ダリオ氏が考案した「オールシーズンズ戦略」と呼ばれており、ほとんど手間をかけずにオールシーズンズ戦略を再現する方法と一緒にこちらの記事にまとめました。

▼参考記事はこちら▼

それでも、どうしても個別銘柄へ投資したいのなら

これまでの話をまとめると、より確実性の高い投資戦略は「長期のインデックス投資」を「ライフサイクル別のポートフォリオ分散」で実施することです。

過去の数字から、この戦略が個別銘柄への投資よりも期待リターンが大きい、というのが『ウォール街のランダム・ウォーカー』の結論です。



それでも、どうしても個別銘柄への投資をしてみたい、という人も一定数いるかと思います。

そんな人向けに、『ウォール街のランダム・ウォーカー』では、「負ける可能性が低い個別銘柄への投資戦略」も掲載されていました。

次の記事では、この戦略をまとめていきます。

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